EBS12.1とEBS12.2に迫る“選択のリミット” ‐「延命」ではなく「再設計」の視点を
オラクルは、オンプレ版のEBS12.1に対するMarket-Driven Supportを2025年末に終了すると発表しています。それを受けて、多くの企業が「それならEBS12.2にアップグレードしておけば、2036年までは安泰だろう」と判断しているのが現状です。しかし、その判断は果たして10年先を見据えた意思決定と言えるでしょうか?
2021年にSpinnaker SupportとOATUG(Oracle Application &Technology Users Group)が実施した調査(回答者は計496名、約半数がマネジメント層以上、対象は多産業)では、回答者のうち、53%がすでにEBS12.2へ移行済みであり、残る47%の多くも「今後1~3年以内にアップグレードを予定」と回答しました。あの調査から4年が経過した今、日本企業では次のような課題が浮き彫りになっています:
- EBSを導入してから10年以上が経過し、当時の開発・導入担当者はすでに社内に存在していない。そのため、システムのバージョンアップやクラウド移行に着手したくても、当時の設計思想やカスタマイズの背景がわからず、適切な判断材料が揃わないまま対応が滞っている。
- 日々のEBS運用・保守を外部ベンダーに委託しており、社内では情報やナレッジがブラックボックス化している。
- セキュリティパッチの適用やバージョンアップが後手に回っており、既知の脆弱性が長期間にわたり放置されている。
こうした状況下で、企業は今後10年をどのように乗り越えていくべきでしょうか?
オンプレ版EBSの継続利用を否定するものではありません。しかし、オラクル製品に関する契約条件やライセンスルールの変化を十分に把握しないままオンプレ版EBSを使い続けることは、知らず知らずのうちに“静かに進行するライセンスリスク”を抱え続けることにもつながりかねません。オラクルから監査通知が来る前に、もしくはオラクル営業から調査依頼が来る前に、自社のライセンス契約と利用実態にギャップがないか、初期構成の誤りや、意図しないオプションの有効化が放置されていないか確認することをお勧めします。