IBMのパスポートアドバンテージ契約

エンドユーザは通常、いわゆるパスポート アドバンテージ（PA）契約に反してIBMソフトウェアライセンスとサービスを購入します。IBMソフトウェアを使用している場合は、それが当てはまる可能性があります。 しかし、あなたはこの合意が何であるかについて明確に理解していますか？ その影響を理解していますか？ ソフトウェアライセンスを効果的に管理するために知っておくべきことを理解していますか？ 一般に、IBMコンプライアンスの立場を管理するために必要な情報はさまざまな場所にありますが、他にどのような情報源を考慮に入れる必要があるか知っていますか？

IBM社は、IBMの用語ページに最も一般的に使用される契約を一覧化しましたが、それはあなたのすべての質問に対する答えになっていますか？ この記事では、最もよく知られているIBM契約であるPAについて説明し、それに含まれる最も重要な契約条件について詳しく説明します。

IBMのパスポートアドバンテージ契約–さまざまなタイプ

エンドユーザは、新しいソフトウェアライセンスを注文し、サブスクリプションとサポート（S＆S）を更新し、IBM Passport Advantage Agreements（IPAA）を通じてIBM クラウドサービスオファリングにて申し込むことができます。

IPAAには2つのバージョンがあります。

• 関連性をベースとした登録が必要な、大規模でマルチサイトのエンドユーザー組織向けに指定されたレギュラーバージョン。
• 小規模で単一サイトの企業向けに指定された、トランザクションベースの購入のシンプルさが提供されるエクスプレスバージョン

トランザクションのサイズと期間によっては、IBM社の顧客として登録することでボリュームディスカウントを利用できるため、コストを削減できます。レギュラーバージョンとエクスプレスバージョンのその他の違いについては、こちらをご覧ください。

IBMのパスポートアドバンテージ契約–関連する契約文書

ソフトウェアまたはサービスの購入方法に関係なく、各購入にはIBMの条件が適用されます。これらの条件に同意することにより、これらの契約の1つ以上で定義されている規則を読み、重んじることを確認したことになります。

• IBM International Passport Advantage Express Agreement (IPAEA)
• IBM International Passport Advantage Agreement (IPAA) 
• IBM サブキャパシティー用語 
• ライセンス情報文書 (LI-Docs)

さらに、ソフトウェアがIPAAまたはIPAEAに基づいて購入された場合は、次の3つの契約を読んだことを確認し、重んじます。

• IBM International Program License Agreement (IPLA)
• ライセンス情報文書 (LI-Docs)
• 一時的な追加使用

また、同様の方法で登録した場合は、次の3つの契約も適用されます。

• クライアント関係契約 (CRA)
• トランザクションドキュメント（TD）–通常、現在のトランザクションに適用されている作業範囲記述書、スケジュール、請求書を含む
• エンドユーザとしてのあなた固有の追加の添付ファイルまたは補足条件
  
   

以下のセクションでは、同意した5つの最も重要な契約条件の概要を示します。これらの契約条件は、組織内にIBMソフトウェア プログラムをデプロイするときに考慮する必要があります。

1. お客様は、監査可能なソフトウェア使用率の記録を提供して、資格のあるプログラムの使用が合意された契約条件に準拠していることが証明できることに同意しました。

   これらのレコードには、次のものが含まれます。

   • サブキャパシティ期間でライセンスを取得する場合のILMT監査レポート
   • db2ライセンス コマンドなどのプログラム固有のスクリプト
   • LDAPグループメンバーシップ
   • プログラムのスクリーンショット
2. お客様はIBMサポート通知を申し込むことに同意しました。  IBM社は、サポート通知を利用することにより、価格の変更、メトリックの変更、またはサポートの撤回を通知します。新しい注文または更新の都度、更新された条件の確認が必要であることに注意してください。 

   例：

   MQコンポーネント「ManagedFileTransfer Agent」は、MQ Advanced V9.0で課金され、MQ AdvancedV9.1.3で無料になりました。 MQ Advanced V9.1.3にアップグレードした場合、これによりライセンス使用率が低下します。詳しくはアナウンスレターをご覧ください。

3. お客様は、すべてのソフトウェアの使用とインストールに十分なサブスクリプションとサポート（S＆S）を取得したことに同意したことになります。 「すべてのソフトウェアの使用とインストール」とは、展開の一部がサポートされていないかどうかに関係なく、文字通り、バージョンに関係なく、プログラムのすべての使用とすべてのインストールを意味します。これは、いわゆる「オール オア ナッシング」ルールです。
4. お客様は、IBMがお客様のコンプライアンスを検証し、合理的な通知の範囲内で営業時間中にオンサイトで検証を実施することを許可することに同意しました。 IBMは、そのような検証を支援するために独立監査人を使用する場合があります。
5. お客様は容量を増やす前にIBMに通知し、十分なライセンスを取得することに同意しました。プロセッサ容量を追加するか、追加のユーザーがソフトウェア製品にアクセスできるようにします。 プログラムの更新、修正、またはパッチを受け取ると、ライセンスドキュメントで指定されているそのような更新、修正、またはパッチに適用される追加または異なる条件に同意したことになります。
   
    

例として、MQ Advanced v9.1.3LI-Docの変更点をご覧ください。 「必要な資格の確立に使用されないコンポーネント」の変更に気付くはずです。

IBMサブキャパシティライセンス条項の重要性

サブキャパシティーの契約条件では、ほとんどすべての場合、IBM License Metric Tool（ILMT）をデプロイする必要があります。 IPAAに従い、ソフトウェア製品の展開から90日以内にILMTを実装することに同意したことになります。契約条件、利点と制限、およびILMTの実装と保守の詳細な説明については、当社のWebサイトを確認してください。 

IBMライセンス情報文書の重要性

ライセンス情報ドキュメント（別名：LI Docs）は、ソフトウェアコンプライアンスを確認するためのパラメータを見つけるための出発点です。コンプライアンスチェックには、インストールされている製品、コンポーネント、バージョン、および使用率をエンタイトルメントと比較することが含まれます。
LI Docs Webサイトでは、プログラムバージョンを検索でき、以下を提供します。

• プライマリプログラムに含まれているコンポーネント（サポートプログラム）のリスト
• 可能な測定単位のリスト
• プログラムに必要なエンタイトルメントの数を決定するために使用される、または使用されないコンポーネントのリスト
• 使用制限
• 禁止されているコンポーネントまたは機能

例として、IBM DB2 Standard Edition11.5のLIDocの短縮バージョンを以下に示します。

• 支援プログラム：
• Visual Studio11.5用のIBMデータベースアドイン
• JDBCおよびSQLJ4.26用のIBMData Server Driver
• IBM Data Server Driver for ADO.Net 11.5
  その他
• 測定単位
• 許可ユーザ
• 仮想プロセッサコア
• エンタイトルメントの数を決定するために使用されないもの
• データサーバークライアント
• JDBCおよびSQLJ用のIBMData Server Driver
• PureScaleクラスターキャッシング機能（CF）
• とりわけ禁止されているコンポーネント
• テラバイトメトリックでライセンスを取得する場合：pureScaleクラスタリングテクノロジー
• Qレプリケーション機能
• その他
• 高可用性/フェイルオーバー構成オプション
• ホットスタンバイ
• アイドル/ウォームスタンバイ
• コールドスタンバイ

IBM DB2 Standard Edition11.5の完全なLIDocは、ここにあります。

通常、特定のソフトウェアコンポーネントを個別にライセンスする必要があるのか、それとも別のIBMソフトウェアライセンスの一部であるのかを理解することに最も関心があります。まず、コンポーネントがどのプライマリプログラムに含まれているかを見つけます。同じサーバーに他のプログラムが存在するかどうかをILMTのソフトウェアインベントリで確認し、システムの所有者に問い合わせて、Googleを使用して可能なプライマリプログラムを見つけます。

例：ILMTはコンポーネント「UniversalAgent」を検出し、自動バンドル規則がそれを「IBMSpectrumProtect」にバンドルしました。ただし、「IBMSpectrumProtect」のライセンスはありません。

プライマリプログラムを見つけ、コンポーネントがサポートプログラムであるとを確認した時、コンポーネントが課金されるかどうか、およびどのように課金されるかを最終的に決定するには、以下のソースの組み合わせが必要です。

• エンタイトルメント
• LIドキュメント
• アナウンスレター
• ナレッジセンター